2006年07月10日

秘伝「武術の秘技『強圧微動術』療法考」

「武術の急所で体系化された治療法」

聖中心道肥田式強健術には三つの体系がある。これは悟道を目的とする「聖中心道」であり、心身丸ごと体格改造法の「強健術」であり、万病を治す治癒力を引き出す純生理学的東洋医学の真髄であるところの「天真療法」である。

今回ご紹介させていただくビデオ版『聖中心道肥田式強健術』第七巻『強圧微動術』は、現代医療の分野では物理療法に分類されるが、その効果は驚くべきほどで、施療を受けられた方々は「うそみたいに痛みがとれた!」とか「奇跡のようだ!」と、異口同音に賛嘆される。それはこの「強圧微動術」が、天真療法の「安静」、「食養」、「排泄」を三位一体に実践される根本療法であるのに対して、「強圧微動術」が「痛み・痺れ・浮腫・腫れ・熱」などの症状を緩和し、解消するために組織された対症療法的治療法だからである。

私はこの体系の二代目を継承された故肥田道夫先生から二十数年前に肥田家の道場で初めて個人教授を賜り、その後も度々にわたり理論体系と全伝を叩き込まれた一修行者である。そのような経歴を持つ私自身も多くの方の施術をさせていただいてきた。そして多くの方から「強圧微動術」が何故?このような驚くほどの効果を引き出せるのか?についてを、聞かれてきたのである。じつは「強圧微動術」の奇跡的効果は、現在治療法の主流であるところの東洋医学として常識となっている経絡やツボという局所への施術とまったく、ぜんぜん異なる、独特な療術体系を用いることにある。その驚異的効果は、一撃即殺傷し「三年殺し」などともいわれる、身体の最深部から破壊する伝統の本物の武術だけが秘蔵している「弱よく剛を制する秘技の当て身の急所」を施術する、という他に例をみない療術であって可能となったのである。



「奇跡的な効果は一撃必殺の善用で」


この体系の創始者である肥田春充(1883〜1956年)の家系は長州藩武術師範であった。春充自身は、死を見ること数知れずという虚弱体質であったが、幼少時から「武術の極意とは?」を、耳にしながら育ったのである。春充は18才にして発憤し、死に物狂いの鍛練でわずか2年にして強健体への改造を成功させる。このような復活に先祖伝来の武術の秘伝である気合を土台に置くことで、自らの心身に奇跡を誘起することができたのである。大学に入学すると、先祖の血にしたがうように、柔道・剣道を学ぶほかに武道十八般を修練して、そのほとんどの免許を得ている。春充は自伝の中で自らを「武道では天才であって・・・。」と、修練の様子や体得の有り様を書いている。がしかし、春充自身は大悟徹底に到った天才的修行者として真宗教家の人生をおくられて、大悟徹底後に書かれた自伝の中では武道そのものを語ることも、書き残すこともせずに完全に放擲されてしまわれた、とおもわれている。ところがところがである、私がこの真伝を口伝心授でうけた時にお聞きした真実は、「春充は武道の秘技やそのエッセンスを人知れずに強圧微動術に封じ込めた」ということであった。

春充は昭和三十一年八月二十四日に七十四才で伊豆八幡野の地でご昇天された。が、その二ヶ月前の六月に、地元の山下という漁師が誤って海に落ち岩に頭を強打して意識不明になった。この患者には老母と幼い子供が数人いた。病院で死の宣告を受けた状態を大変に気の毒がった春充は、病院に足を運び「強圧微動術」を一時間ほど施術して口が利けるまでに生還させている。この施術時に病室で立ち会った病院長が「奇跡だ!」と、感嘆さめやらなかったという記録が残されている。「強圧微動術」は大正9年に発表されるが、創始者である春充自身が身内以外の方を施術した、という記録は最晩年のこの時だけだった。



「施術の実際」



「強圧微動術」には、伝統の民間療法でことのほか実績がある各種の療術から、効果的な五法を選んで『中心療術』に纏め、武道の急所を直接触れて強圧し、微動を与えながら全身十七の急所を施術する「強圧微動術」を、念の気合で合一して体系化している。実際の施療にあたっては、「自然体休養姿勢」という心身が完全にリラックスできて呼吸が深々と収まる姿勢を被術者に誘導してから「強圧微動術」を施術して、後に「中心療術」の幾つかを組み合わせた治療をするのである。とくに強圧し微動しながら全身十七カ所を指先や両掌での療術は、自らの両手施術箇所に念の気合が懸かるようにじわじわとユックリと深く圧してゆくのである。これはつまり武道の秘技の当て身とおなじ原理で行われるのである。秘技としての当て身は、じゅうぶんに全体重が懸かった突きを生理的急所の一点にねじ込むのである。これを現代風にいうと「ウエイトの懸かったショートパンチをカウンターで放った」と、いうことである。実戦を経てきた武道では投げる・逆を取るなどは捕縛のための補助的な技であり、実戦での主体となるのは当て身といわれる「全体重を加速的にぶつけてゆく素早い突き」なのである。一撃で確実に戦闘能力を奪う、と確信がある技こそ「命を託して使える」からである。

さて、真伝の「強圧微動術」には確実に効果を引き出せる念の気合を修する「中心錬磨法」が一体として学ばれている。収録した技術以外にも幾つかの撮りこぼしがあるが、資料として残すという配慮で、ほぼ全伝を公開させていただいた。とくに第一線で奮闘する向上心溢れた治療家の皆様に活用していただければ幸いである。
 


spb-0034 at 07:09 │この記事をクリップ! 聖中心道肥田式強健術 
聖中心道肥田式強健術     免許皆伝者 佐々木了雲


(ささきりょううん)

昭和22年8月生

「丹田研究所」主宰

聖中心道肥田式強健術・天真療法伝承師範。道統二代目継承者肥田道夫先生より唯一人全伝終了を証明する認可状と大看板を1991年に拝受。

最新刊『肥田式強健術』(BAB出版刊)と、基本習得ビデオ/DVD全7巻シリーズ(各45分)を主演にて完成。その他、丹田関連の著作多数あり。奉納・公開演武も全国的に展開している。


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